東田ドライ様
兵庫県西脇市にある老舗クリーニング店「株式会社東田ドライ」。
東田ドライは創業60年、町のクリーニング屋さんとして営業してきましたが、近年インターネットを通じてクリーニングを提供するというサービスをスタート。この7年ほどで売り上げが200倍ほどにも伸びている、今、注目の会社です。
そんな東田ドライのコミュニケーション戦略本部長である前薗喬氏に、天気に合わせて広告を配信するシステム「weathermarketing.net」(以下WMと表記)の活用方法や今後の可能性についてお話を伺いました。
全国どこからでも利用できる宅配クリーニング「リナビス」
―まずは東田ドライ様について、そして前薗さんのお仕事について教えてください。
1959年に設立してから、町のクリーニング屋さんというスタンスで50年以上営業してまいりました。3代目の現社長が宅配クリーニング「リナビス」を始めたところ、おかげさまで大変ご好評いただき、近年売上が伸びてきております。
現在は、首都圏にお住いの30~40代の女性を中心に、全国で20万人を超える方々にご利用いただいています。
クリーニング屋ではございますが、企業理念としては、お洋服をきれいにしますというよりも、我々の提供するサービスを通じて世の中を優しくしたい、という気持ちで社員一同頑張っている会社です。
私の役割としては、コミュニケーション戦略本部の本部長として、いわゆる消費者コミュニケーションに関するチームである、マーケティング部門、お客様対応するカスターマーサービス部門、店舗部門の3つの部署を管理しています。
「おせっかい」で世の中を優しくしたい会社
宅配クリーニング「リナビス」というサービスに関しては、クリーニングに出したい時間帯にお店が閉まっていたり、子育て中で忙しくてなかなか行く暇がないなど、店舗を利用することが難しい方々が一定数おられるのですが、そんな方々がインターネットを通じて宅配クリーニングを利用してくださっているようです。
昨今は日本の人口が減っていることやファストファッションの台頭などで、クリーニング業界としての業績は右肩下がりなのですが、おかげさまで宅配クリーニングというサービスは右肩上がりで伸びてきています。
その中でも、弊社は「おせっかい」という言葉をコンセプトにサービスを提供させていただいています。
例えばお客様からご要望がなかったとしても、取れかけているボタンを修理したり、ほつれを直したり、毛玉も付いてたら全部取ります。このような「おせっかい」をすべて無料でやらせていただいており、お客様からは非常に好評です。
また、クリーニング後の12か月間、無料でお洋服をお預かりさせていただきます、というサービスがデフォルトでついているところも評価していただいています。都心のマンションなどは、クローゼットも狭いことが多くクリーニング後に弊社でお預かりさせていただくサービスは特にご好評いただいています。
他社にはあまり見られない豊富なカテゴリーを展開
―扱っていらっしゃるカテゴリー数がすごく多いですよね。これは他社さんと比べて相当な強みだと思いますが。
そうですね。当初は洋服、布団、革の3つのカテゴリーでしたが、この3年間で、かなり増やしてきています。もちろんお客様からのご要望を基に展開しているのですが、カテゴリーを増やすことによって、お客様との接点をもっと増やし、色々な形でのサービスを提供することができないか、という意図もあります。
―カテゴリーの中にベビーカーがあって驚きました。他社ではあまり見かけない独自のアイディアも色々お持ちですね。
ベビーカーやテントなどは、扱っていらっしゃるところは少ないかも知れませんね。
ぬいぐるみに関しては単純に洗うだけでなく、しゃべるようになって帰ってくるという「おしゃべりクリーニングコース」をご用意しています。きれいになったぬいぐるみに、ボタン型スピーカー「Pechat」をつけてお戻しするのですが、専用アプリを操作することでぬいぐるみを通してお子様とおしゃべりができると、大変好評です。
テントやカーテンにつては、料金体系を分かりやすい設定にしています。他社の場合、1㎡あたりいくらとか、素材によって値段が変わるところも多いのですが、消費者の立場に立つと分かりにくい場合も多く、弊社では基本的にはどんな素材でも1枚いくらといった料金体系になっています。
バギーなどは1回分解しないといけないので大変ですし、輸送が難しいので、まだまだ課題はありますが、それでも試行錯誤を重ねながら、お客様に喜んでいただけるサービスを提供していきたいと思っています。
衣替えが必要な、四季のある日本で
―今回、WMをご利用いただくにあたっては、どのような点に興味を惹かれましたか?また期待されていますか?
我々のサービスは気温に非常に影響を受けていて、特に季節の変わり目に売り上げが伸びたりします。ですから、天気に合わせて広告を配信するシステム「weathermarketing.net」を利用することにより得られる効果は大きいのでは、と考えました。
この2,3年、気温が何度くらいになると売り上げが伸びるのかという読みが非常に難しくなっており、広告予算は潤沢にあるわけではないので、一番効果があるタイミングで広告を出したいと思っています。
今までは職人的な勘のようなものでやってまいりましたが、読みが外れて、思ったほど数字が伸びなかったというケースも過去にあります。そういう部分をWMを利用することで、もう少し確度高く運用できるのではないかと思ったことが一つ。
もう一つは、天気によってお客様のマインドは変わってくると思っていて、そのマインドに合わせた広告の出し方ができるのではと考えたからです。例えば雨の日はわざわざクリーニング屋に行きたくないと思う方も多いと思うので、雨の日のサービスのご案内をさせていただいたり。天気の良い日に布団を干される方は多いと思いますが、じつはダニは洗わないと中に入ってしまうだけなので対策としてはあまり効果がないんです、みたいなことを、晴天の日などにコミュニケーションできないかなという活用の仕方も考えています。
Weathermarketing.netを活用し職人的な勘をより確実なものに
―日本は小さい国とはいえ、北から南で全く気温が違うので、本来は広告を出すタイミングは違ってくるはずです。全国同じタイミングではなく、北海道は少し早めに始めるとか、沖縄は遅めに出すみたいなことが、WMをご利用いただくことによってできるので、限られた広告予算を効率よくというところでは、お手伝いできるかもしれません。
お客様視点に立つことで見えてくること
―カスタマーサポート部分も担当されているということで、お客様の声も聞こえてくると思いますが、お客様の声から生まれたサービスなどありましたら教えてください。
我々は数万件以上のお声を集めていますが、内容を分析して、改善できそうなところは改善していく努力を続けています。お褒めの言葉も沢山いただいているので、社内に共有して、社員のテンションを上げていくこともしています。
お客様と共創していくということですね。
お客様の声から生まれたサービスの一つに、オプションでやっている「におわん加工」というものがあります。ドライクリーニングなどは基本的には石油で洗うのですが、そのためクリーニングから戻ってきたものが少し石油臭いことがあると思います。この臭いが苦手な方は結構いらっしゃるんですね。この臭いは評判がよくない部分でもあったので、ドライに使う石油を、日本で使っているところは多分、弊社以外では1~2社ぐらいしかない、すごくレアなものを使うように改善しました。
この石油は石油なんですが、石油の臭いがしない。犬ならわかるかも知れませんが。(笑)コストは高いですが、お客様の満足度には代えられないということで、この石油を使用しています。
コンセプトは優しくておせっかいなお母さん
―お話を伺っていると、消費者の立場でサービスを展開されていることがよくわかります。
取れかけのボタンを付けてくださるだけでなく、ものすごい種類のボタンや糸の中から、似ているものを探して付けてくださることもあるとのこと。
まるで母親みたいですね。サイトでも「おせっかいで非効率」と仰ってますが、大変な時間と労力がかかりますよね?
そうですね。もう本当にコンセプトは母親なので。(笑)
弊社の場合、1着のお洋服を洗うのに最低13人のスタッフが携わっており、毛玉取りだけでも平均すると15分ぐらいかけています。
余談ではありますが、1着クリーニングして得られる利益は、あまり大きくはありません。
ですから、新規の広告に投資して売り上げを伸ばして行きたい思いはありますが、やはりお客様に満足していただけるように、お金はできるだけお客様に還元できるようなところで使いたいなと思っているんです。
そういった意味でも、WMを活用することで、広告をなるべく効率よくやっていきたいなと思っています。また新規だけではなく、できるだけリピートしていただけるような環境を作っていくことにも、どんどん活用していきたいですね。
東田ドライ様の物語は、以前、社長と会長がご出演されたTV番組「カンブリア宮殿」でも紹介されています。是非こちらもご覧ください。
「カンブリア宮殿」2018年6月7日 放送 「親子の最強タッグで驚異のⅤ字回復!客満足のおせっかい宅配クリーニング」
宅配クリーニングのリナビス https://rinavis.com/
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